ドケルバン腱鞘炎
目次
- Q. ドケルバン腱鞘炎とは?
- Q. 何歳ぐらいに多い病気ですか?
- Q. 女性が多いと聞きますが、男女比はどうですか?
- Q. 原因は何が考えられますか?
- Q. 治療法はどんなものがありますか?
- Q. 注射は何本すればよくなりますか?
- Q. ステロイド注射の副作用は、どんなものがありますか?
- Q. 食事療法でどうにかなりますか?
- Q. スマホによるドケルバン腱鞘炎?
Q. ドケルバン腱鞘炎とは?
大きな物を持ったり、絞ったり、手を着いた際に痛みが手首の親指側に痛みが出る病気です。
親指を伸展する2本の伸筋腱のうちの短母指伸筋腱の腱鞘炎です。母指CM関節症と痛みの部位は近いです。
こちらではドケルバン腱鞘炎についてをQ&A形式でご説明しています。
Q. 何歳ぐらいに多い病気ですか?
A. 2016年1月~2018年6月30日まで通院された新規ドケルバン腱鞘炎の患者さんの年齢分布です。44歳以下の発症が多いことが特徴です。その他の年齢は同様のようです。
Q. 女性が多いと聞きますが、男女比はどうですか?
A. 199例の性比分布は、下グラフのように男性23.6%、女性76.4%と女性が多い傾向にあります。
Q. 原因は何が考えられますか?
A. 多くは年齢構成が44歳以下です。産後の女性に多い印象があり、経年的変化よりも女性ホルモンや、使用頻度、使用法に原因があるようにも思われますが、詳細はわかりません。
Q. 治療法はどんなものがありますか?
A. 非手術治療と手術治療があります。
手術は根本治療で、狭窄した靭帯性腱鞘を切開して腱の滑動性を改善させることです。しかし、誰でもメスを入れられることには抵抗がありますよね。そこで選択肢となるのが、非手術治療です。
方法としては以下が挙げられます。
- ①使いすぎが問題だから、使用頻度を減らす
- ②女性ホルモンが関係しているので女性ホルモンの補充をする
※補充は乳がんの危険性があります。そこで女性ホルモンに近い大豆イソフラボンをとることをおすすめします。 - ③炎症を起こしている腱、腱周囲滑膜を鎮静化するために、ステロイドを注射で投与する
Q. 注射は何本すればよくなりますか?
A. 原則的には、症状が再燃したら、注射を行います。
ステロイドの副作用もありますので、私は2回までとしています。2回注射して改善がなければ、リハビリか、手術療法をお薦めします。
ばね指よりも可能注射回数が少ないのは損傷している腱が細いからです。
Q. ステロイド注射の副作用は、どんなものがありますか?
A. 注射部位の皮膚脂肪の萎縮があります。部分的に皮膚が陥没したようになります。
また、注射した局所が腫れることもあります。
その原因にはステロイドを結晶化したもの(ケナコルト)による腱‐腱鞘間の摩耗による結晶性滑膜炎があり、これは鎮痛薬を飲めば改善しますが、飲んでも改善しない場合は化膿性腱、腱鞘炎を考えねばならず、すぐに医療機関を受診してください。
さらに重症な場合は腱断裂です。ステロイドにより腱が自己融解してしまいます。
Q. 食事療法でどうにかなりますか?
A. 原因の一つに女性ホルモンの不足があります。
大豆に含まれているイソフラボンが女性ホルモンと骨格が似ていることから、豆乳や大豆製品(豆腐、納豆など)の摂取が改善の可能性がありますが、明確な証拠のある研究はありません。
また、イソフラボンの有効成分だけを利用した健康食品も発売されています。
Q. スマホを使っているとドケルバン腱鞘炎になる?
A. 最近、文字が見やすいために、大画面スマホを持ち歩く人が多くなってきています。
電子書籍やマンガの表示も大きく読みやすく、動画視聴やゲームも大画面で楽しめます。
一画面内での情報量が増えることは、便利ですし、年齢とともに、細かい文字を読む際にストレスを軽減させてくれます。
しかし、人の手の大きさは様々で、小さな手で大きなスマホを持つと、腱鞘炎になります。
これは大きなスマホをもったことで、ドケルバン腱鞘炎になった方のスマホを持つ写真です。
親指操作をすると、手首に痛みが生じます。
ドケルバン腱鞘炎とは、大きな物を持ったり、絞ったり、手を着いた際に手首の親指側に痛みが出る病気ですので、片手操作で母指を使うとどうしても、親指の付け根に痛みが生じてしまいます。
予防としては片手操作から、両手操作への変更がお薦めです。
当サイト監修医は柏Handクリニックで診察をしています
当サイトを監修している田中利和は、千葉県柏市の柏Handクリニックにて、手(指・手首・ひじ)の疾患に特化した診察・治療を行っております。
2020年の開院以来、手の症状でお困りの多くの方にご来院いただいております。
日本整形外科学会専門医・日本手の外科学会専門医の資格を持った手の専門家として、患者さんと一緒に、より良い治療を一緒に考えていきたいと思っております。
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